その72 【オイティーン夏季オペラフェスティバル練習開始編】

時期:2005年07月頃                                                執筆日:2006年10月18日
その68、【オペラ歌手って儲かるの?編】で「つづく」とか書いときながら、ようやく続きを書こうとしております。

オペラのソロの役をもらい、ウキャウキャ喜んで必死に勉強して、練習の初日にはほぼ完璧に近い状態で行ったわけですよ。そしたらね、えらいことが発覚!!

レオンカヴァッロのオペラ「道化師」はイタリア語で書かれています。でも今回はドイツ語上演なのです。もちろんそれは知っていたのでドイツ語で勉強してましたよ。でもね、ここからが重要。そのイタリア語からドイツ語への翻訳には何通りかあって、俺たちは新しい訳のほうで勉強してたのに、行ったら古い方でやってる・・・。ガーン・・・。覚えたのと全然違うし。

とまぁそんなことを言っても始まらないので必死に覚えなおす。しかし同じ経験をした人ならわかると思うけど、一度覚えたものを違うテキストで覚えなおすのって相当苦労するのだ。一から覚えるよりも3倍以上労力を使うね。練習中にも古いテキストと新しいテキストがこんがらがるし、行き帰りの電車の中でぶつぶつ呟きました。

そんな大変なことが発覚してまもなく、学校では次期オペラプロジェクトのオーディションが行われていました。次のオペラはモーツァルトの「フィガロの結婚」。モーツァルトイヤーだからかな?俺はこのオペラ唯一のテノール役、「バジリオ、ドン・クルツィオ」で受けました。時は2005年7月1日。ダブルキャストで募集して、受けたのは3人のテノール。なんとかそのうちの2人に入り、無事、役をゲットしたのでした。

その後はまた夏のオペラの練習に入り、毎日テキストを覚え直す日々だったのです。

ちなみにこの夏行われるオペラはレオンカヴァッロ「道化師」とマスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」、ウェーバー「魔弾の射手」、ヨハン・シュトラウス「こうもり」でした。これを1ヶ月のうちに約20公演、練習期間は1ヶ月という強行スケジュールで、しかも舞台は屋外という、体の弱い人はすぐに風邪を引いてぶっ倒れてしまうようなものだったのです。

その様子はまた次回・・・。

つ・づ・く!!


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