その81 【卒業のための試験達編】

時期:2006年02月15日                                            執筆日:2007年09月06日
ドイツの音大は、卒業の半年前に一般科目の試験があります。オペラの公演は一年に一度しかないので、前回の回想記にもあったように卒業の半年前に行いました。そのオペラ公演の二週間後にフランス語の試験がありました。

試験は完全に口答試験。っていうかフランス語なんかできるの?って感じですが、はっきり言ってできません・・・。授業は真面目に聞いていたのですが、予習、復習などはまっったくしていなかったので、覚えた先から忘れていってました。それでも卒業のために試験は受けねばならず、試験勉強はせずに試験にのぞみました。

さてさて、口答試験のいいところは紙面に残らない所です。なぜそれがいいのかというと、点数が人間の印象、授業態度などで変わってくる所です。今回の試験官はフランス語の先生と学科主任の先生。試験の進行状況は恥かしすぎて書けないですが、普通なら落第してますネ。それを!!なんともかんとも2,7という点をもらったのでした。ここで説明すると、1,0が一番よく、4,0以下が落第です。僕の試験状況から自己分析するに、あれはどう見ても4,5くらいの内容でした・・・。まぁそれでもフランス語が読めるくらいまでにはなっていたので、自分的にも納得。それまでは読めもしませんでしたから。

その次の週にはドイツ語ディクションの試験がありました。試験ではドイツ語のテキストを暗記で15分ほど発表するというものです。しかし15分って結構ありますよ?

ディクションの先生と試行錯誤して作ったプログラムは、ドイツの詩一つ、オペラのテキストの一場面、日本語の詩、ドイツの物語の一節でした。日本語の詩は「アメニモマケズ」を選び、ドイツ人には理解できないのをいいことに、中間部分を理不尽にカットしました。あれって意外に長いんですヨ。ドイツの詩は確かゲーテか何かを読み、オペラではソプラノの子に手伝ってもらい一場面をし、物語は「星の王子様」の場面を一つ発表しました。星の王子様の原語はフランス語ですが、ドイツでもほとんどの人に読まれ、ポピュラーなものだったのでこれにしました。

試験には半年ほど前から入念に準備をし臨んだので、完璧ともいえるものだったと思います。しかし試験のためにというよりも、これから仕事で使うためのレッスンという思いでやっていたので本当に勉強になりました。外国語ということもありますが、母国語であっても舞台上での発声というものはしっかり勉強しなければならないものです。日本で演劇を経験していたのでその心構えはできていたのですが、それをまたドイツ語でやるとなると2倍にも3倍にも難しくなります。試験では最高点である1,0をもらったのですが、今後も機会があればさらに深めて生きたい課題だと思っています。

などと感慨に浸っていると、その次の週の2006年2月18日には春休みに入りました。休みの間もいろいろあったのですが、それはまた次の回想記に書こうと思います。次はいつ書くことになるのやら・・・。




写真は試験で手伝ってもらったソプラノの子と、同じ時に試験を受けていた生徒。試験の打ち上げの場にて。


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