その9 【語学学校カピート最初のクラスと大事件編】

時期:2001年09月11日                                     執筆日:2005年10月26日
さて、当時通っていた語学学校には様々な国の人達がドイツ語を習いに来てたのだが、そういうところにいると色んな国民性が見えてくる。質問の仕方や、その答え方、仕草や性格などである。

俺のクラスには30過ぎくらいのアメリカ人のおっちゃんがいたのだが、彼は授業中でも絶対に携帯電話の電源、または音をオフにしないのだ。だから授業中に音が鳴る。そしてコレはニュアンスの問題だと思うのだが、彼らは決して謝らない。いや、一応謝るんだけど。

どういうことかというと、「ごめんなさい」はドイツ語で「エントシュールディグング」。そして似通った使い方はするのだがちょっと違う「申し訳ない」という言葉の「エス・トゥートゥ・ミア・ライド」。彼は何度授業中に携帯が鳴っても「申し訳ない」としか言わないのだ。一度たりとも正式に「ごめんなさい」といったことはない。これはアメリカ人の特徴として挙げられるのだが、彼らは最後まで「負け」を認めないのである。

そしてあれは忘れもしない2001年9月11日。また彼の携帯が授業中に鳴り出す。結構頻繁に起こるので俺たちもイライラしていた。その時に彼の発するのはいつも「申し訳ない」である。そして授業してるにもかかわらず電話に出る。もちろん長々と話すわけではないのだが「ごめん、今授業中だから・・うんたらかんたら」とかって喋ってるのを見ると腹が立つ。でもその日は違った。電話に出て少しすると彼は血相を変え早退していった。

授業が終わり昼休みに語学学校の友達とご飯を食べに行こうとしてると、上級クラスの方からなにやら真剣な顔で話してるのが聞こえてくる。上級クラスなのでナニを言ってるのかわからなかったが。しかし人がそのクラスに結構集まっているので俺らも野次馬根性出して覗いてみると、そこの部屋のテレビから飛行機が高層ビルに突っ込んでいく映像が映し出されていた。なんのこっちゃと見ていると中級クラスくらいの日本人の子が「アメリカで今実際におきてることらしいの!」と言う。これが俗に言う「アメリカ同時多発テロ事件」であった(←実は正確な日にちは忘れてたのでネットで探しまスた)。

その日は色んなところでそれが話題になり、アメリカから来てる人達は顔面蒼白でテレビから流れてくる情報を見つめていた。そして俺のクラスにいた彼は次の日から来なくなった。なんでもあのビルでは知り合いが働いてるらしく、帰国するとの伝言を残し、彼とはクラスメートではなくなったのでした。きっと日本にいてあの映像を見ていたらただの傍観者気分だっただろうけど、こんなに近くにそれを現実問題として受け止めている人がいたのでこのことについても真剣に考えてしまいました。


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