その3 【ドイツ語の手紙とハム編】
時期:2001年02月27日 執筆日:2005年10月20日 |
さて、誰かあの手紙を解読できた人はいただろうか?とりあえずドイツ語がわからない人が多数だと思うのだが、ドイツ語が少しわかる人でもあの手紙は読みにくすぎる。かつての俺がそうだった・・・。だって、ローマ字じゃねーよコレってな字で書いてるもんだから、自分の部屋で開いてとりあえず辞書を片手に解読するのに1時間は要したと思う。
まず最初は「親愛なる升島唯博へ」だ。その次からいきなり困った。なにやら筆記体のようなブロック体のようなっていうか組み合わさったような文字に鼻血ブー。そして動詞の変化形が辞書に載ってない!!(いや実際は載ってるんだが、当時のレヴェルでは見つけれなかった)とりあえず持ち合わせの辞書と想像力で文章を解読し、なにやら途中に書いてある電話番号らしきものに電話しろってことだと理解した。
なぜかその時に俺に恐れはなく、部屋に備え付けてあった電話からその番号をプッシュ。もちろんドイツ語で男の声が聞こえた。
「おzぃdhgbんヴぁ@?」
へ?あまりに早すぎて理解できなかったのだが、ただ単に彼が自分の名前を言っただけだった。ちなみに彼の名前はアンドレアス・ショルツ。さぁここで困った。サクっと電話したのはいいんだが何を喋ればいいんだ?とりあえず自分の名前を言って手紙という単語を述べて、ホテルの名前も叫んで・・・終わった。こっちが全ての単語を喋り終えると向こうはこっちが誰だか理解したらしく、なにやら話し始める。
「あksjんdg;あおいhんkxb。vc!・・・klんzx☆?」
理解できんとふんだ向こうは英語で話しかけてきた。
「zん。cmbv、んzcxヴぃh」(←英語くらい書けよ)
いや、それがね、俺英語できないの、全く。それで「アイ・キャント・スピーク・イングリッシュ」って言うと
「xzb。kま、ヴぉyp@^エイジcz、。x?」と言う。
「。んczxbvエイジm、cz。エイジ」
エイジって確か年齢?と思って
「23(もちろんドイツ語)」
って言うとなにやら受話器がガザゴソガサゴソ。もうわけわからんって思ったら
「こんにちはエイジです。」
って、人の名前だったんかい!そして日本人。日本語バンザーイ!!だったら最初から出して欲しかった・・・。
電話で話すと、彼もそのアンドレアスの家にお世話になってるらしく、次の日にホテルを出てここにこないか?とのことだった。あ、ちなみにこのアンドレアスってのは俺が習おうと思ってた先生のお弟子さんだったのです。このミュンスターの駅から電車に乗って30分くらいのところにあるハムという美味しそうな名前の町に住んでるらしく、また電車で移動〜?と思いつつも日本人がいる!!ってことで意気揚々と次の日にそこに向かったのでした。
ハムの駅に着くとなにやら小さい。そして昨日の晩に教えてもらった道順をたどって大きなトランクを転がし探すこと30分、ようやくそれらしいところに着いた。呼び鈴の名前を確認し、いざピンポン!出た相手に名前を告げると扉のところで「ブー!!」っと音がした。・・・何も俺間違えてないよな?ってかクイズデスカ?
しばらくボーっと突っ立ってると扉がガチャっと開いてドイツ人の男と日本人男性が出てきた。今では常識として認識してるんだけど、ドイツではブーっと鳴った時に鍵が開いて、自分で扉を開けて入っていくシステムなのだ。知らんわ、そんなの。扉を入ると螺旋階段があって、それを上って3階まで。その3階のフロアには部屋が3つとキッチンとシャワー室とトイレが付いてて、それを3人の人間でシェアしてるそうな。それをまとめてるのがアンドレアスで、彼の部屋が途中の扉で区切ることもできて、俺がその部屋を使ってもいいってことだった。
なにはともあれ日本人がいるっていうのはとても安心するし、ようやくドイツでの最初の一歩を踏み出したのでした。 |
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