その94 【ドイツの音楽事務所へオーディション旅行・最終日編】

時期:2006年11月27日                                             執筆日:2011年04月25日
今回のオーディション旅行最終の地は、ドイツ南部の大都市、ミュンヘンの「ハーゼ」音楽事務所でした。この事務所はドイツでは知る人ぞ知る大事務所だそうです(後日談)。

朝早くに事務所に着くと、中には既に10人ほどが集まっており、緊張した面持ちで座っていました。びっくりしたのは、「この建物内では発声禁止」 と張り紙がされていたことでした。僕は運がいいことに、後輩の家でしっかり発声してこれてたので別によかったのですが、こんなに朝早く、どこか遠いところ から来てホテルに泊まってたりした人などは、発声なしでオーディションを受けるようなことになります。っていうか普通発声ができる部屋などを用意している ものなのですが。それでも発声しているソプラノの子とかがいて、事務所の人に怒られてました。

事務所に来た時に用紙に記入して待っている間見つけたのが、壁に貼ってある歌手のポスター達。若かりし頃のホセ・カレーラス、ドミンゴ、フランシ スコ・アライサなどのポスターで、きっとこの事務所に所属してるんだろうと思いました。その他にもいっぱい貼ってあって、僕は知らないのですが、知る人ぞ 知る大歌手たちなのでしょう。

何人かの歌手が小部屋に呼ばれて入っていき、出ていきました。僕の名前が呼ばれ中に入っていくと、男の人が一人座っていました。とりあえず軽く自 己紹介をして、伴奏者に楽譜を渡していつもの奴を歌い始めました。それを歌い終わると、持ってきた曲のリストから次の曲を指定されました。それも歌い終わ ると、「うむ、なかなかいいねー。○月○日に○○の劇場でオーディションがあるんだけど行ってみるかい?」と言われ、早速オーディションを斡旋してもらい ました。

この時は彼がハーゼさんかと思っていたのですが、この人はプロイスさんという人で、ハーゼ音楽事務所の中で働いている人の一人だったのでした。

オーディションが終わり自分の先生に電話して今回の事を報告すると、「ほらな、やっぱり人によって色んな意見があるんだから、よかっただろ?とりあえず今回の事、おめでとう!」と言われました。

今回紹介状が届いた音楽事務所へのオーディションはこれでひとまず終わり。昼前の電車に乗り、8時間かけてリューベックに戻っていきました。


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