その91 【続・ドイツの音楽事務所へオーディション旅行編】

時期:2006年11月21日                                              執筆日:2009年09月22日
前回の回想記で書いたように、ケルンの音楽事務所のオーディションが終わって次の日にはバート・クロイツナハというところで次の音楽事務所のオーディションがあったのでした。ここはケルンからさらに電車で2時間ほど南に下ったところにある町でした。

ケルンのオーディションが終わってからその場所に着いたのが夜の11時。オーディション会場でもあるそのユースホステルに泊まり、次の日の朝11時にオーディションが始まるのでした。

朝7時ごろ起き、朝食を済ませた後にホステルの従業員にオーディションの旨をつたえて、地下の部屋で発声をさせてもらいました。その日ここに泊まっていた何人かもオーディションを受けにきていて、あちらこちらから声が聞こえてきてました。

11時前になると会場のホールの前に人が集まり始めました。この日は5,6人だったと思います。ドイツ人らしき人が2,3人、その他のヨーロッパ 系が1〜2人、日本人俺一人、残りは韓国人でした。その韓国人が話しかけてきたのですが、どうもドイツに住んでいないようすで、わざわざイタリアからここ にオーディションを受けにきていたようです。以前イタリアに語学留学していたこともあり、まだ当時は少しイタリア語が話せたので、そのつたないイタリア語 でなんとか会話をしました。

そうこうしているうちに今回の音楽事務所のオーナーらしき人がやってきました。そのひとはフーガーさんという人で、背は150くらい、体重は70 キロくらいのちんまり、まんまるしたおばちゃんでした。ホールの前の待合室に座っていた我々の前を通るときに、一人の女の子に話しかけていました。どうや ら面識がある様子。ううむ、袖の下?

まぁ何人か歌って4番目くらいに中に入りました。オーディション用に送っていた履歴書を見ながら少し会話。今どこにいるだの、いままで何をしただ のを話し終えていつものごとく「では、なにを聞かせてくれますか?」の質問でこれまたいつも歌っているアレ、モーツァルトのオペラ「後宮からの逃走」のな かのペドリロのアリア。激しく動き、スーツのジャケットを放り投げます。歌い終わって次の曲を歌います。

歌い終わってフーガーさんが「あなたの声はあなたの歌っている役にあってるわね。ただ、この曲(リストに書いていた曲)はまだあなたには早いみた いだし、この曲(リストの中の他の曲)はあなたの役の声じゃないわ」といわれた。「あなたの声種は動きを必要とする役だし、もっと詰めていけば素晴らしい ものになるわ。私はオーディションのための講習会も開催してるんだけど、そこに一度きていらっしゃい」といわれ、紙を渡された。

そうして次はミュンヘンにある音楽事務所のオーディションに向かったのだが、次のオーディションまで約1週間ほどあったので、ここからミュンヘンへ行く道すがら少しより道したのでした・・・。

つづく




 写真はケルンのドーム前のホテル。
 クリスマス間近なのでサンタのモニュメントが


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