その85 【目下の目標変更編】

時期:2006年06月28日                                            執筆日:2008年06月12日
以前の回想記にデュッセルドルフ劇場の合唱に受からなかったことを書いたが、それから一週間後にももうひとつ合唱のオーディションがあったのでした。それも俺が今住んでいるリューベックの劇場の。2006年6月28日でした。

劇場に行くと受付でオーディションを受ける旨を伝えて、発声練習をするための部屋を教えてもらい、そこで何分か発声をしました。発声を終えオーディション会場に向かうと、その前の廊下に何人かが立っていました。彼らも今日のオーディションのために来た人たちだ。

オーディションの時間になり、会場に合唱指導の人や合唱団員の何人かが入っていく。その中には知った顔もあり、彼が「がんばれよー!」といってくれた。知った顔があるのは心強い。

自分の順番になり部屋に入る。ざっとみまわして10人くらいが聞いている。自分の名前を言い、最初に歌う曲目をいい、歌い始めた。ドイツ語のオペラアリアで、次の曲にはイタリア語のアリアが指定された。歌い終わると「後日結果をお知らせします」とのことで、部屋を出る。

その後何時間かして、合唱団員の知り合いから電話がかかってきた。

「おーい、なかなかよかったよー!俺はお前を推すからな!」

と言ってくれた。もしや、これはいけるか!?と思いながら何日かたった頃に劇場から手紙が届いた。結果は不合格。その知り合いの団員に聞いてみると、

「合計30人くらい受けて、お前かもう一人の奴でもめたんだけど、最終的にあいつになっちゃったんだよー。彼はエキストラコーラスで何度か歌ったことがあって、合唱指導の人が彼を知ってたことが決め手になったんだ。」

とのことだった。そしてその受かったという彼も俺と同じくこのリューベック音大で勉強中の学生だった。

また落ちたよ・・・。ってなことだったが、今回はそれほど落ち込まなかった。というのも、ここを受けた時くらいから自分の中で「合唱は受けずにソリスト一本でしぼっていきたい!」という考えが芽生え始めていたからだった。そして「ここの合唱に受かっちゃったらどうしよう・・・」とまで考えていた。

その次の週の7月5日には学部の最後の試験、非公開の歌の試験があった。しかしながらその前に院の入試で歌ってるし、45分のプログラムを出し、そこから3,4曲を指定されて歌うという試験なのにもかかわらず、2曲歌って「まぁ彼のことは知ってるし、しかもこの前聞いたばっかだし、これでいいっしょ」ってなことでさらりと終わったのでした。


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