その46 【ミュンスターからリューベックへの旅立ち編】

時期:2004年03月頃                                                 執筆日:2005年12月25日
リューベック音楽大学に合格して大喜びすると同時に、一つの不安が頭をよぎった。どうやってこのことを俺のミュンスターの先生に報告したものか。というのも俺の先生は結構嫉妬する人で、自分の生徒が他の先生のところに行くのを快く思わないのだ。なので色んな大学を受験していたのも隠していた。もうこうなったら当たって砕けろと思い、こう言うことにした。

俺「先生、前言ったんですけど(約半年ほど前に卒業したら、もしかしたら他の大学を受けるかもということをポロッと言ってた)、ダメ元で大学を受験したら受かっちゃいました」

前に先生の門下から同じ学校の他の先生のところに移った生徒がいたのだが、目も当てられないくらいのイヤガラセを受けていたのだ。よく俺はそんな先生に3年間も問題無しに習っていられたものだ。だからこの後の反応が恐ろしかったのだが、意外にも「あら、そうなの?先生はだれなの?」みたいな普通の反応だったのでほっとした。もちろん以前のように俺にかまいっきりになってはくれなかったが、逆鱗に触れることなくすんなりと彼女のもとを去れたのは運が良かった。

そのほかにも問題はあった。リューベックでの家を探すことだ。通常家を探す場合は賃貸業者を通してか、週に一回新聞に載る賃貸広告を見て直接交渉するかが大半を占める。俺がしたのは新聞で探すほうだ。賃貸業者を通すとそのぶん値段が高くなる。

家を探すに当たってまずリューベックに来なければならない。電車で片道3時間弱、新聞に賃貸情報が載る日曜日に来て新聞を買いめぼしいものをチェックする。まず値段が安いのが一番だった。それからやはり学校から近いところがよい。しかし探してみるとそんなにいい物件はなかった。安くても遠かったり、近いと高くなったり。学校は市内のほぼ中心にあるのだ。

そんなこんなで絞っていって、最終的に5つほどに電話をし、家を見に行った。一番安くて安全そうなところは共同マンションぽかったが、学校から少し遠くてどうしようか迷っていた。その日には20人ぐらいの人が見学に来てて、気に入った人は書類に書いて提出してくれとのことだった。とりあえず用紙をもらい、後日提出することにしてその場を去った。

もうそこにしようかなと諦めている時になんとも運命的なことが起こった!

つづく


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