その28 【ドイツに来て初めてのコンクール編】

時期:2002年11月09日                                               執筆日:2005年11月14日
時は西暦2002年11月9日。一つの事件が起きようとしていた・・・・。やっぱりやめた。普通に行こう。だって別に事件でもなんでもないから・・・。

遡ること1ヶ月ほど前、当時の歌のシュプレッケルゼン先生が言ってきた。

シュ「タダヒロ、今度コンクールがあるからそれに出なさい」
俺「はーい(←生返事)」

とりあえず先生からもらった用紙に記入して、見せる。

俺「先生、曲はどうするんですか?」
シュ「そうね、じゃあコレとコレとコレとコレと・・・」
俺「先生、ここに現代曲を一つ入れろって書いてあるんですけど、僕そんなの持ってないですよ?」
シュ「じゃあ今から勉強しましょう」

てな具合に話が進んで行き、特に気も乗らないまま時は過ぎていった。

このコンクールは声楽だけのもので、曲をそろえるのが結構大変だった。まず一人30分のプログラムを考え、曲は様々な時代の物を入れ、言葉も3ヶ国語以上で歌わねばならず、形式もオペラ、宗教曲、リートを入れなければならなかった。こんなのそろえるだけでも大変なのに1ヶ月前ですか?

大急ぎで勉強し、当日までにはとりあえず確実に暗譜はしたのだが、曲達をあまり好きになれなかった。あまりに難しかったり、妙に低かったり。

当日会場に行き、プログラムをもらう。そうそう、このコンクール実はドイツではなくオランダで開催されたものだった。当時住んでいたミュンスターはオランダとの国境から近く、このコンクールの会場も国境から近かったのだ。車で2時間というところだろうか?

そしてプログラムには全ての参加者と曲名が載っていた。そこにはカテゴリーA、B、Cと分かれて書いてあり、俺はカテゴリーCに当てはまるのだった。カテゴリーAは素人。Bはプライベートレッスンを受けている人、Cは歌の大学生〜プロまで。A〜Cをあわせると全員で35人いた。これでも一応国際コンクールだ。カテゴリーAは前日に行われていて既に終了。Bは俺達と同じ日の午前中に行われ、午後からカテゴリーCが開催される。

待合室みたいな部屋があり、隣にピアノの置いてある部屋があった。俺はミュンスターから伴奏者を連れてきてなかったので、当地の伴奏の人と合わせる。楽譜は既に送ってあったので、どの順番で歌うか、テンポはどのくらいかなど軽く話して歌い始める。とりあえず全曲終了。あとは本番までドキドキしながら待つだけだ。

ちなみにミュンスター音大から来ていたのは俺を含めて3人だ。同じ門下のドイツ人のソプラノ、違う門下の韓国人のバリトン。

俺の順番はカテゴリーC10人中の7番目。とりあえず全員会場(小さな教会)に入って自分の番まで待つことになった。

つづく


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