その17 【問題なベット編】

時期:2001年10月頃                                           執筆日:2005年11月03日
今まで寝ていたゴアゴアのベットともこれでおさらばできる!それにやはり人の使っていたベットというものはどうも妙な感じのするものである。なので自分専用の新しいベットがとても嬉しかった。

その日はIKEAから屈強な男が二人ほど連れたって、まずはベットの枠を。そして次にベットのマットを持って上がってきた。ちなみにわたしの部屋は建物の最上階である4階に位置していて、エレベーターというものがなかったので大変だったろうなぁと思った。まぁそんなことはお構い無しで、受け取り票にサインし、すぐに組み立てに取り掛かった。先ずはひとまとまりになっている木のフレームをほどき、付属のネジをこれまた付属のネジ回しで締め付ける。組み上がったら中にすだれみたいなものをチョコンと乗せて完成。こんなもの10分もあればできる。そしてマットをビニールのカバーから取り出しドスンと乗せる。枕と掛け布団はすでに買っていたのでそれを上に乗せる。完成だ!!

完成した!!のだが、何かがおかしい。ベットの枠とマットが微妙に合ってない。というより、枠があまっている感じなのだ。おかしいなぁ。誤差といってもこぶし大よりもさらに隙間がある。

ベット枠の説明書みたいなのを取り出してみてみる。200センチ×90センチと書いてある。どれどれ、以前ゾニヤから借りてそのままの物差しで枠を測ってみる。ほぼぴったりだ。ミリ単位でのずれは仕方が無い。

次にマットのカバーについているラベルを見てみる。200センチ×90センチ。おかしい。この隙間はナンなんだ?とりあえずまた物差しで測ってみる。そうするとやはり200センチよりも短かった。微妙に短いのならわかる。だがなぜ「ぴったり190センチ」なんだ??

かなり複雑な思いを抱き何日か経ったころ、ふとマットの横についているラベルを見ると「190センチ×90センチ」と書いてある。あれ?もう一度カバーのほうのラベルを見てみる。「200センチ×90センチ」。これか・・・。交換してもらおうと思ってて語学学校の日本人にこれをちょっと相談したところ「一回カバーをあけて上に横になったんじゃぁダメなんじゃない?」と言う。しかし相手のミスで違う物が届いたんだからとりあえず電話することにした。

ここでまた言うのだが、当時の私の語学能力はペーペーのペーペーでした。今からIKEAに電話して苦情を言おうと思うのですが、ドイツ語!電話!ってことでどんなにビビッたことか。むしろこんぐらい隙間あっても別に死ぬわけじゃないしとか思ってたけど、やはりこれから長く使うものだからしっかりしとかないとと思い、勇気を振り絞って電話を掛けることに。

もちろんその前に自分の言いたいことを紙に書き上げる。

1.私は升島唯博です
2.○月×日にベット枠とマットを買いました
3.私は200×90の枠と200×90のマットを買いました
4.枠は200×90でマットが190×90が来ました
5.取り替えてください

これを書くのに辞書と格闘して1時間以上かかった。それでも当時は間違ったこと書いてたと思うのだが・・・。

さて電話する。ボタンを押し間違えないように慎重に確認しながら押す。コール音。。。。。

I「IKEAです」
俺「(上の文章を読み上げる)」
I「はい?」
俺「(もう一度ゆっくりしっかり読み上げる)」
I「ああ、少々お待ちください」

3分ほど待つ

別のI「お電話かわりました」
俺「(もう一度最初から上の文章を読む)」
別のI「はい?」
俺「(もう一度ゆっくりしっかり読み上げる)」
別のI「ああ、そういうことは上司に話してください。少々お待ちを」

5分ほど待つ

上司「上司です(←いや、こんなことは言わんがね)」
俺「(さらにもう一度最初から上の文章を読む)」
上司「はい?」

ぶちっ・・・・・

切れたよ・・・俺。ドイツに来て初めて切れた。慣れないドイツ語でビビリながら勇気をだして電話して、しかも俺は全く悪くないのに、っていうかむしろそっちのミスで変なものが届いてんのに、なんじゃその態度わーーーーーー!!!!ムッカーーーー!!

すうぅぅぅ・・・・・っ、
俺「俺には あと 10センチ 必要 なんだー!!!!!!!!!!」
(↑今でも覚えているが本当にこの言葉を喋った↑)
(独:Ich brauche noch 10cm!!!!)

俺のあまりの怒りのパワーが電話越しにつたわったのか、おっちゃんは「わ、わかった。後日新しいのを届けるから」とすんなりOKしてくれて電話を終えた。

そして後日、また屈強な男が今度はちゃんと200×90のマットを持ってきて、短いマットを持って帰ったのでした。


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