その16 【生まれて始めての一人暮らしドイツ、ミュンスター編】

時期:2001年09月28日頃                                    執筆日:2005年11月02日
音大生活が始まって1ヶ月が経ち、語学学校にも毎日通ってたのだが、未だに以前書いたハムというミュンスターから電車で30分くらいのところにあるアンドレアスの家からだった。

元々彼の家での生活は、ドイツに来た時の応急処置として彼が提案してくれたもので、部屋もきちんとしたものではなかったのである。だからいずれは出て行かなければならない、ということをこの時期頻繁に話していた。

そういう時期に、アンドレアスの彼女、ご存知ゾニヤが「今ミュンスターに住んでるんだけど、あたしいい家見つけたからそこ出ることにしたの。で、今その後に入る人を探してるんだけど、あなたそこに入らない?」と聞いてきた。その頃は右も左もわからない状態だったのでどうしていいかわからず、とりあえずアンドレアスの提案どおり一度その家を見に行くことに。

後日ゾニヤと打ち合わせをしてその家を訪ねたのだが、立地条件が恐ろしくいい!まず駅から歩いて5分。学校から歩いて3分。街の中心地まで歩いて1分である。そして家賃が電気、水道、暖房代を全て含めて190ユーロ(約26600円)!!窓も大きくてそこからの眺めは素晴らしくいい!とりあえずそんなことを聞かされ、そこに住むことを承諾した。本当に当時はそういうことに疎かったので、そこが本当にいいところなのかどうか判断がつかなかったのだが、今考えるとかなりいいところ。運がいい。

引越しの日にトランク一つでやってきたのだが、部屋に入ると何も無い。元々家具はついてなかったらしく、彼女が使っていたやつは次の家に持っていくようだった。さすがにベットが無いのは厳しいので、自分のを買うまで彼女の妹が地下に置いているやつを貸してもらえることになった。ゴアゴアして寝にくい。これは一日も早くベットを買わねば。机も何もないので、それらはアンドレアスの友達が使ってないやつを貸してくれることになった。そして引越しのその日、なんと大型ごみの日だったらしく、タンスのようなものがゴボンと捨ててあった(神様の贈り物か?)。とりあえずそれを速攻部屋に持ち帰り設置。コンロもなかったので携帯用のやつをアンドレアスから借りた。これでひとまず生活できる。

ドイツにはIKEA(イケア)という家具の大型チェーン店がある。これはドイツだけではなくヨーロッパに普及してるのだが、そこへ行ってベットを買うことにした。こういう店は大抵街の中にはなく、電車に乗って郊外へ出て、歩いて数十分というところにある。なぜかというと、大抵そういう所には皆、車で買い物に行くからである。もちろん車なんて持ってない俺は時間のかかる方法でそこまで。道に迷って人に尋ねてようやくたどり着いた。

中に入ると家具がいっぱいあった!(←あたりまえだ)そしていろいろ物色して中でも迷って、ようやくベットの枠とベットのマットが売ってあるところに辿り着く。とりあえず枠はそこそこのもので安いものをさがし、マットを選びに。マット選びは枠より慎重にした。ドイツのベットは恐ろしく柔らかいものとかあって、俺には合わないのだ。少し固めがよい。なのでそれぞれちょこっとずつ体を横たえて感触を確かめて、一番しっくりくるものを選んだ。こんなものを電車で持って帰れるわけもなく、送ってもらうためにその窓口へ行く。何日の何時くらいという欄に記載して、お金を払って手ぶらで家へ戻る。

それから何日かしてIKEAからの人間が荷物を持ってきた。初めての大きな買い物でその現物が届いたとなると心はウキウキで、早くそのベットで寝たいと思うものだ。

しかし・・・、どうしてこんなに俺のドイツ生活は上手くいかないんだ?と思うほどいろんなハプニングが俺を待ち受けている・・・。

つづく


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