その14 【ドイツでの歯の矯正開始編】

時期:2002年01月頃                                        執筆日:2005年10月31日
さあ4本の抜歯も終わり、血も止まり、抜いた穴も塞がってきた頃本格的に歯の矯正が始まりました。

まず歯の矯正ってどうやるのかというと、全ての歯の表面に特殊な接着剤で金属の支柱のようなものをくっつけ、それに針金を通して一番奥の歯のところで両方から締め上げていくのです。その時のそれぞれの歯の動きは特殊なゴム素材のもので針金の上から調節していきます。

この歯の矯正の目的は「表面から見た綺麗な歯並び」よりも「正しい噛み合わせ」なので上下のバランスを取るのが重要だそうです。歯も4本抜いたし、その均衡を保つのは意外に難しかったようです。

針金をつけて締めた日というのは恐ろしく歯が痛いのです。針金を使ってグリグリ歯達を動かしていくのですから、締めてすぐは歯がムズムズするなぁくらいでいいのですが、その夜とか次の日にはまともなご飯は食べれません。

その解決策として僕がミュンスターでお世話になっていたのがスペイン料理のお店「Cadaques(カダキス)」です。ここは音大生御用達のお店で、店の中の雰囲気もよく、普段からよく利用してました。ここの店の何が歯によかったかというと、スバゲッティが伸びたうどんのようにフニャフニャだったことです。「そんなのスパゲッティじゃねぇ!」と思うかもしれませんが、ドイツのスパは大抵どこでもこんな感じです。ただここのスパのいいところは、味が僕好みだったこと。フニャフニャなことを差し引いてもお釣りが来るくらいの味付けのよさでした(僕的には)。

なので歯の矯正に行った夜はかならずここへ。何度も足を運んでいたので終いには常連に。そして「いつもの」、で通じる仲に。僕の「いつもの」は、スパゲッティブロムーロ(ほうれん草のクリームソーススパ)とバナナジュース。これで6,80ユーロ。家からも近く、歩いて1分なのでグー。

最初はこの矯正器具に慣れず、口の中を器具で引っかいてそこから口内炎になったり、しょっちゅう舌や口の中を噛んだりしていた。針金や器具には食べ物が引っかかったり詰まったりするので歯磨きは念入りにしなければならないし、食事のスピードも遅く、友達と食べるときはいつも一人でぽつーんと最後まで食べていた。

こんな状態で始まったドイツの音楽留学生活は、普通に歌を勉強するのよりもハンデを負った状態を感じさせるものでした。


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