その6 【ミュンスター音大受験、結果編】

時期:2001年07月04日                                    執筆日:2005年10月23日
え〜、昨日言ってた通りコピペ(コピー・アンド・ペースト(いわゆる切り貼りです))で。

ええと、試験で歌い終わったところから始まります。


すると3人いた試験官のうちの一人(もう一人の歌の先生ツィーテン教授)がドイツ語でなにやら質問してくる。なるほど、これがうちの先生(シュプレッケルゼン)が言ってた語学を見る試験か、と思いつつ気合を入れる。

ツ「あなたはどこから来たのですか?」
俺「日本です」
ツ「日本のどこですか?」
俺「広島です」
ツ「あなたはどのくらいドイツ語を勉強しましたか?」

とりあえず日本の大学でのことを考えると4年半になるのだが、そんなに勉強してこれかよ!って思われてもナンなので、昨日先生と打ち合わせた通り、

俺「文法だけを4年と、実践は3ヶ月です」

と答える。
後で知ったことだったのだが、このツィーテン先生は俺の先生から俺のことを聞いていたらしく、大分俺のことを知ってたらしかった。なのでこんな質問をしてくる。

ツ「あなたは今、友達(アンドレアス)のところに住んでるんでしょ?」

さぁここで俺は大きな勘違いをしてしまった。この友達という単語はドイツ語でFreund(フロイント)。様々な語尾変化が付いてFreunden(フロインデン)になる。そしてこれがFreundin(フロインディン)になると自分の彼女という意味になるのだ。このフロインデンとフロインディンを聞き間違えた俺は、

俺「えっと・・・、僕の彼女は今日本にいますよ?」

と答えてしまう。あせったのは俺の先生。

シュ「違う違う!あなたは今アンドレアスのところに住んでるんでしょ!?」
俺「あ・・・、ああ、そうですそうです。」

なにやら失笑みたいなのが聞こえる。この試験、実は公開だったので何人か生徒らしき影が見える。んで次の質問。

ツ「えーっと、それではあなたはもし入学したら何を勉強したいんですか?」

え?っていうか今歌ったじゃん?歌ったってことは歌科の試験でしょ?なんか変な質問をされたなーと思っていると、「ああ、入学したらなんか副科をとらなきゃいけないのかな?もしやもう受かったっぽいのか!?」と思い立ち、

俺「入学したらギターをやりたいです!」

と答えると、これまたシュプレッケルゼン大慌て。

シュ「あなたは入ったら歌をやりたいんでしょ!?そうよね!?」
俺「は、、、ハイ、そうです。」

失笑じゃなく、結構な笑い声が後ろらへんから・・・。

ツ「なんでギターって答えたの?」
俺「副科でとる学科のことと思いました」
ツ「そうか。だが副科でギターは取れないんだよ」

そうなのか。

という流れで試験が終わり、ホールの外に出て待つことに。

全ての受験者の試験が終わると中で話し合いがあるらしく、みんな緊張した面持ちで外で待ってた。俺のそばにはアンドレアスがいてくれて「大丈夫、受かるって」と言ってくれるが、なにやらみんな上手いっぽいし、語学テスト(?)ではちゃらんぽらんだったし、どうにも不安だった。

そうこうしてるうちに4人くらい名前を呼ばれてホールの中に入っていく→出てくる。またそのくらいの人数が呼ばれる→出てくる。そんで俺の名前と残り2人(韓国人)の名前が呼ばれて中に入っていく。中に入るとツィーテン先生がなにやら話してる。

「zxkxcgbヴぁ\ン!!vcンxzmvcb:イオ:[gsioghn: sl!!」

まったく理解できんかった。隣に立ってる俺の先生を見ると普通に笑ってる、ように見えた。最後にツィーテン先生が二人の韓国人に握手してる。二人は先生に「ダンケシェーン(ありがとうの意味)」と言ってる。俺も全く同じようにする。→外にでる。

するとアンドレアスが駆け寄ってきて「どうだった!?」と聞いてくる。いや、わからんかったヨ・・・。どうなの?って俺が不思議な顔をする。俺は満を持して韓国人に聞いてみる。「あの・・受かったの?」韓国人たちはびっくりして「受かったヨー!わかんなかったの?」って言ってくる。だって「合格する」っていう単語一つだけしか覚えてなかったから、あんな遠回りな回答もらうと理解できないんです。

それを聞いてアンドレアスと一緒に喜んで!!「これでお前も俺たちと同じ門下生だな!」って言われてすごく嬉しかった。その後先生が出てきて「入学手続きをするから受かった人は付いてきてください」と事務のところに連れて行かれ、書類を受け取り、先生の門下生と一緒に近くのアイス・カフェにお祝いも兼ねて行くことになった。

そこでまさか恐ろしく重大な危機が訪れるとはつゆにも思ってなかった。

つづく・・・


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